圧縮空気で発生した水・水滴を竜巻遠心カートリッジにより、効率よく強制的に分離してドレントラップで排出します。
スーパーサイクロンセパレータはいわば、圧縮空気の脱水器です。
スーパーサイクロンセパレータの特徴
- 圧縮空気の水・水分、油・油滴等の分離効率が高い!!
- 簡単な構造!!
目詰まりがなく、圧力降下が小さい!!(0.5kPa以下) - 電源不要!!
- 確実なドレン排出!!
マグトラップ外付型orフロート式ドレントラップ内蔵型 - 広いレンジに対応!!
- サイクロンセパレータでフィルター寿命がUP
※2016年9月12日以降の出荷分より、マグトラップの型式が変更となりました。
マグトラップはこちら
※高圧・高温仕様のスーパーサイクロンセパレータもご用意しております。お問い合わせください。
スーパーサイクロンセパレータ構造
- ハウジング内にエアーが入る。(図1)
- サイクロンカートリッジ上部外側より遠心分離に最適な角度を付けて入る。(図2)
- ハウジング内壁に叩きつけられた油水分・固形物は落下し、エアーのみカートリッジ中央部より二次側に取り出される。(図3・4)
エアーの流れ
スーパーサイクロンセパレータイメージ図
スーパーサイクロンセパレータご紹介動画
㈱フクハラ営業による
スーパーサイクロンセパレータ
デモ紹介動画。
※仕様により動画終了後に関連画像が表示されます。
スーパーサイクロンセパレータの導入メリット
1.冷凍式エアードライヤーの熱交換器の負荷低減
冷凍式ドライヤーの直前に装備すると、圧縮空気のみドライヤーに入り、熱交換器の負荷が低減されます。
計算例:
気温30℃、ドライヤー入気温度が45℃、コンプレッサーの吐出量13m3/min、
スーパーサイクロンセパレータの捕捉効率が98%の場合、
捕捉できる水分量は1時間あたり6130.5g。この水分を10℃まで冷やす場合の電力は0.25kW。
年間3,000時間稼働、電気料金15円/kWhの時の削減額は
0.25kW×15円/kWh×3,000h/年=11,250円/年
2.エアーフィルターの圧力損失低減
フィルター前段の粗取り用に使用すると、圧力損失が低減されます。
計算例:
5kWのコンプレッサーの場合、0.1MPa増減時の電力損失は2.6kW。
年間3,000時間稼働、電気料金15円/kWhの時の削減額は
2.6kW×15円/kWh×3,000h/年 = 117,000円/年
3.冷凍式エアードライヤーの前後に設置(1+2 このシステムは特許取得済)
冷凍式エアードライヤーのドレントラップが排出不能になり、水分がエアーラインへ出ることが多々あり
ます。
このような場合でも、エアードライヤー後のスーパーサイクロンセパレータが機能を発揮し、エアーフィルターへの負荷を低減します。
また、配管の立ち上がり直前部に接続しますと、水・水滴を効率良く分離します。
※「前後」とは、冷凍式エアードライヤーの直前と、その冷凍式エアードライヤー後段にあるエアーフィルターの直前とを指します。
4.端末空圧機器の直前に装備
注:スーパーサイクロンセパレータから出る2次側の圧縮空気が冷やされると、配管内にドレンが生じ、端末から水が出る場合があるため、できるだけ直前に装備します。
仕様
圧力降下 | 0.5kPa以下 |
---|---|
流体温度範囲 | 1.5~65℃ ※65℃以上に対応した製品もございます。 |
周囲温度範囲 | -20~50℃(凍結なきこと) |
使用圧力範囲 | 0.1~1.5MPa ※360Aは1.0MPaまで |
処理流体 | 圧縮空気、窒素ガス |
水分除去効率 | 99%(定格処理空気量時) |
ドレントラップ排出方法 | マグトラップ外付型、フロート式ドレントラップ内蔵型 または 手動弁型 |
ハウジング材質 | アルミニウム |
竜巻遠心カートリッジ | カートリッジ単体でも販売しております。型式:SCS010~SCS360 |
注意:ドライヤーではありません。
除湿が必要な場合は2次側に膜式エアードライヤー等をご使用ください。
ラインナップ
マグトラップ外付型
サイクロンセパレータ
モデル | 接続 口径 (インチ) |
0.7MPa 処理 空気量 (m3/min) |
外形寸法 | 質量 (kg) |
製品図面 | 取扱説明書 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A | B | C | D | ||||||
SCS010M-3Rc | Rc3/8 | 1.0 | 455 | 88 | 25 | 210 | 2.0 | ||
SCS013M-4Rc | Rc1/2 | 1.3 | 455 | 88 | 25 | 210 | 2.0 | ||
SCS020M-6Rc | Rc3/4 | 2.0 | 525 | 88 | 25 | 280 | 2.2 | ||
SCS033M-8Rc | Rc1 | 3.3 | 527 | 125 | 39.4 | 305 | 3.3 | ||
SCS085M-12Rc | Rc1 1/2 | 8.5 | 728 | 125 | 39.4 | 515 | 4.2 | ||
SCS170M-16Rc | Rc2 | 17.0 | 958 | 164 | 49.5 | 710 | 7.1 | ||
SCS280AM-20Rc | Rc2 1/2 | 28.0 | 958 | 164 | 49.5 | 710 | 7.1 | ||
SCS360AM-24F ※ | 80A (JIS 10K) |
36.0 | 1,290.5 | 375 | 60 | 825 | 21.5 |
※2020.07 360A 接続ネジ変更(Rc→フランジ)・型式変更
フロート式ドレントラップ内蔵型
サイクロンセパレータ
モデル | 接続 口径 (インチ) |
0.7MPa 処理 空気量 (m3/min) |
外形寸法 | 質量 (kg) |
製品図面 | 取扱説明書 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A | B | C | D | ||||||
SCS010F-3Rc | Rc3/8 | 1.0 | 216 | 88 | 25 | 185 | 0.9 | ||
SCS013F-4Rc | Rc1/2 | 1.3 | 216 | 88 | 25 | 185 | 0.9 | ||
SCS020F-6Rc | Rc3/4 | 2.0 | 286 | 88 | 25 | 255 | 1.0 |
※2017.01 接続ネジ変更(G→Rc)・型式変更
※ドレントラップの無い、ボールバルブを装備したモデルもございます。お問い合わせください。
※圧縮空気が0.7MPa以外の場合、下記の補正係数を処理流量に乗じてください。
圧力( MPa ) | 0.2 | 0.3 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.7 | 0.8 | 0.9 | 1.0 | 1.1 | 1.2 | 1.3 | 1.4 | 1.5 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
補正係数 | 0.53 | 0.65 | 0.76 | 0.84 | 0.92 | 1.00 | 1.07 | 1.13 | 1.19 | 1.25 | 1.31 | 1.36 | 1.46 | 1.51 |
スーパーサイクロンセパレータの電力費削減額
スーパーサイクロンセパレータは、圧縮空気中から水分を分離することにより、エアードライヤーの電力費削減や、エアーフィルターの圧損によるエアーコンプレッサーの電力費削減をすることができます。
スーパーサイクロンセパレータを「エアードライヤーの前に設置」と「エアーフィルターの前に設置」した場合で、どれくらいの削減額になるかを求めます。
1.エアードライヤーの前に設置した場合
図1の様にドライヤーの前にスーパーサイクロンセパレータを設置した場合の、エアードライヤー電力費削減額を求めます。
図1
条件 | |
---|---|
気温 | 30℃ |
湿度 | 80%(0.5) |
圧縮空気圧力 | 0.7MPa |
吐出量 | 13m3/min |
ドライヤー入口温度 | 45℃(圧力下) |
年間ドレン発生平均係数 | 0.5 |
年間稼働時間 | 3,000時間 |
電力料金 | 15円/KWh |
スーパーサイクロンセパレータ捕捉効率 | 98%(0.98) |
エアードライヤーに入り込む水蒸気量
①コンプレッサーが吸い込む水蒸気量
30℃での飽和水蒸気量は30.4g/m3なので、1時間あたりの水蒸気量を求めます。
飽和水蒸気量 | 湿度 | 吐出量 | 時間 | 係数 | ||||||
30.4g/m3 | × | 0.8 | × | 13.0 m3/min | × | 60min/h | × | 0.5 | = | 9484.8g/h |
②ドライヤーに流入する水蒸気量
ドライヤー入口で45℃(大気圧換算8℃)での飽和水蒸気量は8.28g/m3から、
45℃飽和水蒸気量 | 吐出量 | 時間 | 係数 | |||||
8.28g/m3 | × | 13.0 m3/min | × | 60min/h | × | 0.5 | = | 3229.2g/h |
①-②が、エアードライヤーに入り込む水分量となります。
コンプレッサーが 吸い込む水蒸気量 |
ドライヤーに 流入する水蒸気量 |
|||
9484.8g/h | - | 3229.2g/h | = | 6255.6g/h |
スーパーサイクロンセパレータの捕捉量
スーパーサイクロンセパレータを設置すると、捕捉効率が98%であることから、
水分量 | 捕捉効率 | |||||
6255.6g/h | × | 0.98 | = | 6130.49g/h | ≒ | 6130.5g/h |
このドレン量が本来ドライヤーで負荷になります。
電力費削減額
ドライヤーでは45℃から10℃まで冷やします。水1gを1℃冷却するのに1cal/g・℃が必要なので、
水分量 | 冷却温度 | 冷却に必要な熱量 | ||||||
6130.5g/h | × | 35℃ | × | 1cal/g・℃ | = | 214567.5cal/h | = | 215kcal/h |
電力換算すると、1kcal = (1/860)kwh であることから
熱量 | 1kcalの電力 | |||
215kcal/h | × | (1/860)kwh/kcal | = | 0.25kW |
よって、1年間でコンプレッサーが3,000時間稼働した場合の電力費削減額は
電力 | 金額 | 稼働時間 | ||||
0.25kW | × | 15円/kWh | × | 3,000h/年 | = | 11,250円/年 |
となります。
2.エアーフィルターの前に設置した場合
図2の様にエアーフィルターの前にスーパーサイクロンセパレータを設置した場合の、エアーフィルター圧損低減によるエアーコンプレッサーの電力費削減額を求めます。
図2
条件 | |
---|---|
使用コンプレッサー | 75kW |
吐出量 | 13m3/min |
圧縮空気圧力 | 0.7MPa |
モーター効率 | 90%(0.9) |
エアーフィルター平均圧力損失 | 0.037MPa (初期圧損 0.0029MPa、交換時期 0.07MPa) |
圧力0.1MPa減による電力損失 | 8.4%(0.084) |
年間稼働時間 | 3,000時間 |
電力料金 | 15円/KWh |
入力消費電力
コンプレッサーが実際に消費する電力を求めます。
出力 | 効率 | ||||
75kW | ÷ | 0.9 | = | 83.3kW |
圧力減による電力損失
0.1MPaの圧力減があったときの電力損失の値を求めます。
消費電力 | 電力損失 | 平均圧力損失 | 圧力 | |||||
83.3kW | × | (0.084 | × | 0.037MPa | ÷ | 0.1MPa) | = | 2.6kW |
電力費削減額
よって、1年間でコンプレッサーが3,000時間稼働した場合の電力費削減額は
電力 | 金額 | 稼働時間 | ||||
2.6kW | × | 15円/kWh | × | 3,000時間/年 | = | 117,000円/年 |